
満足度の高いエグゼクティブ
外為会計は国会の承認を得る必要がありますが、常に余裕をもって設定されてますし、予算がなくなったからこれ以上やりませんというようなものではないです。
現実に外為会計の限度である天井にぶつかって、介入できなくなるということはまずないです」外為会計の枠は、八六年までは一三兆円だったが、その後の予算や補正を組むたびに急増。
八八年度当初予算では、国家予算の半分に匹敵する二八兆円までふくらんだ。
この外為会計の枠内で、ドル買いのための円資金をだせることになっている。
だが、N銀でもいったように、いくらドルを買い支えても、その下落に歯止めがかかる気配はない。
いったい、どういう基準でドル買い・円売りをつづけているのだろうか。
N銀ではつぎのように答えた。
「市場に売り注文をだすとか、買いの注文をだすとかは、N銀でやっているわけですが、大蔵省の代理人としてやっているわけで、そういう基準は申し上げられません。
介入については、原則としてノーコメントです。
大蔵省が最終的な決定権限をもって、N銀に指示するということですから、大蔵省の国際金融局でないとわかりません」N銀は、大蔵省国際金融局の使い走りということになり、「大蔵省N銀課」などといわれている由縁である。
大蔵省「財政金融統計月報』(三月号)の主要経済指標によると、「暗黒の月曜日」後の株価暴落が為替相場に波及した翌一月には、最高一ドルU一三二円五五銭までになり、六九四九億円も円を売ってドルを買い支えている。
翌々一二月には、最高一ドルU一二三円ちようどにまでなり、さらに一七六六億円を投じてドルを買い支えている。
・外為会計はそれだけ円資金を支出して赤字になったわけで、八七年の一年間だけで五兆四二七三億円もも、外為特別会計法では、ドル買いの資金は外国為替資金証券(為券)の発行で調達する(第三条)ことになっており、N銀がその為券の大部分を引き受けている。
こうして円を売ってえたドルは、そのまま外貨準備高として累種しているが、八八年二月末現在で一兆六五七○億円(八三八億二一○○万ドル、後述の基準相場換算)に達し、わずか二年間で三倍になっている。
このドル買いは、下落して価値が下がっていくドルを買いつづけたわけで、買えば買うほど為替評価損が累積する。
外為会計の経理上では、基準相場(省令レート)で計算されているが、評価損は、八五年度の三三三三億円から、八六年度には一兆二七二三億円に急増し、八七年度(予算べース)では五兆七七九六億円にもなっている。
まもなく六兆円の差損に達する勢いだが、そのツケは当然、国民の負担になっての赤字となった。
外為会計は、八一年度以来、五年間、黒字で、八五年度は五七六九億円の黒字だった。
六年度には一転し、一挙にこれだけの赤字となり、八八年一月までにすでに一兆三四七五円の赤外為の経理上で用いる基準相場(八七年七?一月末)の一ドルU一五一円は、実際には過去(八六年一一月?八七年五月)の市場相場の平均である。
この一文でも、ドル表示の統計数字を円に換算する場合は、以後も八七年七?一二月末の基準相場一ドルU一五一円で換算していく。
N銀はノーコメントだったが、そのときどきの為替相場とN銀のドルの買い支えを突き合わせてみると、一定の相場を基準にして介入している。
だが、N銀でも認めたように、ドル安・円高そのものに歯止めはかからず、介入の基準そのものがドル安・円高に押し上げられている。
N銀は、それでもなお気前よく一三兆円近くも使い、五兆円以上の評価損をだしているわけである。
重大なのは、為券発行はN銀が大部分を引き受けているため、最近のマネーサプライの急増の原因となっていることである。
それがまた、カネ余り現象下での投機とマネーゲームをも増長させる結果にもなっている。
こうした問題点は、経企庁『月例経済報告」の担当課でもある調査局内国調査第一課のEも、経済企画庁の編集協力による経済月刊誌『ESO」四月号(W哲郎「為替介入と通貨安定」)でN銀に為券を引き受けさせ、さらにアメリカの国債まで引き受けさせているわけで、後述のように、莫大な軍事支出によるアメリカの国家財政の赤字を穴埋めしていることになる。
この問題は、八八年二月六日の衆院予算委員会で、共産党の正森成二議員が代表質問で追及した。
予算委員長だった浜田幸一が、宮本共産党議長を「殺人者」とわめいて妨害したのも、この代表質問のさいだった。
また、もう一つの問題は、為券をN銀に引き受けさせたうえに、ドル買い・円売りで手にしたドル(外貨準備高)で、アメリカの短期国債である財務省証券(TB)を買っていることである。
さきの財政法は、国債や借入金を国家財政の財源にすることを禁止しているだけでなく、〈公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金については、N銀行からこれを借り入れてはならない〉(第五条)と定めている。
N銀がドル買い・円売りの介入をしている外為市場そのものは、もともと外国との貿易や資本取引で手にした外貨資金(主としてドル)を売り、また、必要な外貨を買う市場である。
市場といっても、株式市場のように取引所や特定の市場があるわけではない。
前章でNのトレーディングルームをみたが、外為取引も投機化で異常な急ぶくれ電話回線やテレックスを通じて取引するテレホン・マーケットとなっている。
外為市場は、外為銀行やブローカー、顧客である生命保険会社などの機関投資家で構成されている。
外為銀行は、外為法(外国為替管理及び外国貿易管理法)にもとづいて大蔵省の認可を受けた外為業務を営む銀行で、八七年九月末現在で、都市銀行の一三行(東京銀行は外為専門銀行)をはじめ二六四行になっている。
銀行間の取引が中心の市場であり、その取引で形成された一ドルが何円というのが為替相場である。
外為取引は、かつて、輸出入や資本取引などに必要な実際の需要に限定した実需原則に貫かれ、為替投機は規制されていた。
だが、八○年に新外為法の施行によって大幅に自由化され、八四年四月の先物取引の実施にともない実需原則も撤廃された。
これらの自由化によって、外為取引は、ロンドンやNなどの世界の金融市場を結び、二四時間ディーリングでおこなわれるようになり、いわゆる国際化が急速にすすんだ。
この自由化と国際化の結果、貿易や資本取引とも無関係に、為替相場の変動によるキャピタルゲインを狙った投機的な為替取引が急増している。
経企庁の調査によると、東京外為市場の出来高は、八○年には五八○○億ドルで、貿易額の二・一倍にすぎなかった。
ところが、八六年は八○年の四・四倍の二兆五三○○億ドルに急増し、貿易額の七・五倍にふくらんだ。
実需からかけはなれた為替投機の結果である。
二兆五三○○億ドルというと、さきの基準相場一ドルU一五一円で換算すると、GN。
をも上回る三八二兆三○○億円となる。
これだけのマネーが、東京外為市場からテレホン・ネットワークに乗って、地球上を飛び回っているわけである。
Nでみたように、巨額の資金を動かす大きな銀行や機関投資家にとっては、円・ドルの相場が一○銭単位で動いても、一瞬のうちに何億円ものキャピタルゲインが手にできる。
いろんなエグゼクティブはパンチがありますね。インパクトのあるエグゼクティブです。
エグゼクティブの登場です。 デザインが豊富なエグゼクティブです。
エグゼクティブの道は決して楽ではありません。あなたにぴったりのエグゼクティブが選べます。